終活とは? やり方・始める時期・実践するメリットなどを詳しく紹介
現在の日本は少子高齢化社会となり、自分の死後に家族が困らないよう終活を始める方が増えています。終活をしておくと、さまざまなメリットがあるのです。とはいえ、終活とはどんなものか、いつから始めたらいいのかなど、分からない点も多くあるでしょう。終活を始めようと考えている方は、終活をするメリットや準備の仕方について覚えておいてください。
本記事では、終活を行う時期ややり方などを解説します。
終活をすることで得られるメリットややり方などを理解しておけば、老後の暮らしを身軽にすることができます。本記事を参考に、終活を始めてみてください。
1.終活とは?
まず、終活とはどんなものなのか見ていきましょう。
1-1.老後を見据えた準備をすること
終活とは、老後を見据えた準備をすることです。持ち物を必要最小限に絞り、身の回りをシンプルにすることで、老後を暮らしやすくすることができます。
1-2.介護が必要になった場合に備える
終活を行うことで身軽になり、介護が必要になった場合に備えることができます。いざという場合でも、介護施設への入所がスムーズにできるようになるでしょう。
1-3.自分の死後に家族が困らないようにする
終活は、自分の死後に家族が困らないようにする意味もあります。持ち物であふれた状態だと、残された家族は大掛かりな片付けや遺品整理などに追われる可能性が高いでしょう。終活を実践し、家族の負担を軽減できるようにしておくと安心です。
2.終活をしておくメリット
終活をすると、どんなメリットが得られるのでしょうか?
2-1.自分の意思を残しておける
終活を行う際、エンディングノートなどを作っておくことで、自分の意思を残しておけるのがメリットです。葬儀・相続などに関する事項を書き残しておけば、自分の死後に反映してもらえる可能性が高まります。
2-2.家族も安心感を抱くことができる
終活で身辺を身軽にすることで、家族も安心感を抱くことができるのがメリットです。遺品整理は、残された家族にとって、肉体的・精神的負担が大きいとされています。終活をしておけば、家族の負担が軽減されるのです。
2-3.老後を考えるきっかけになる
終活を行うことで、老後を考えるきっかけになります。定年退職などをきっかけに、第二の人生をスタートする方もいるでしょう。終活は、自分らしい生き方を模索する意味もあるのです。
3.終活を始める時期は?
終活を始めるのに適した時期とはいつなのでしょうか?
3-1.健康で身体が動くうちに始める
終活は、大掛かりな作業を伴う場合があります。そのため、健康で身体が動くうちに始めるのがポイントです。定年退職を迎える前に、できるだけ早く行うといいでしょう。
3-2.早い人は40〜50代のうちに始めている
終活は、早い人であれば、40〜50代のうちに始めています。早い段階から終活を行うだけでなく、老後の資金を十分に確保しておくことも視野に入れておきましょう。
4.終活の準備
終活を始める方は、どんなことを準備しておけばいいのでしょうか? 具体例を挙げてご紹介します。
4-1.エンディングノート
まず、エンディングノートを準備しましょう。エンディングノートには、相続・葬儀・介護などに関する希望を書き記しておきます。気づいたことがあれば、内容をまとめて書いておくと便利です。市販のエンディングノートを使うといいでしょう。
4-2.連絡先をピックアップする
万が一、自分に何かあった場合に備え、連絡先をピックアップしておくことが大切です。入院時に連絡してほしい人・葬儀に呼んでほしい人など、項目別にリストを作成するといいでしょう。
4-3.財産をリストにしておく
財産をリストにしておくと、何かあった場合に困ることがありません。銀行預金・有価証券・貴金属類などの財産をリスト化するとともに、ローンや借金などがある場合もリストに記しておくことが重要です。また、ローンや借金はできるだけ早く返済し、家族が困らないようにしておきましょう。
4-4.生前整理
身の回りをシンプルにするため、早い段階から生前整理をすることも終活の1つです。断捨離なども実践し、ものを最小限に絞り込みましょう。身軽になれば、老後の計画も立てやすくなります。
4-5.入居施設などの見学をしておく
介護などの問題に備え、施設の見学をしておくと安心です。疾患や介護度によって入居できる施設が変わってくるため、複数の施設を見学しておくといいでしょう。施設の見学と併せ、お墓についても考えておくことをおすすめします。
4-6.遺言書の準備
遺言書の準備をしておくことも大切です。エンディングノートには法的効力がないため、財産分与など重要事項は遺言書にしておくと、自分の希望を反映してもらえます。
5.終活のやり方について
終活のやり方について解説します。
5-1.エンディングノートに書き残す内容
エンディングノートに書き残す内容は、以下のとおりです。
- 個人情報(氏名・生年月日・本籍地・マイナンバーなど)
- 経歴(幼少期からの出来事・学歴・職歴・住宅やマイカーなどの購入記録・結婚や出産に関する記録)
- 親族に関する情報(親や兄弟・親族・養子など家族間の情報、知人や友人といった身近な人)
- 財産関係(預貯金・年金・保険・不動産・負債など)
上記に加え、遺言書がある場合は、保管場所などを明記しておくと家族が困らずに済みます。
5-2. 遺言書は種類を決めて作成する
遺言書は、大きく分けて3種類があります。以下を参照してください。
5-2-1.自筆証書遺言書
自筆証書遺言書は、自分で作成する遺言書のことです。用紙や書き方に縛りはありません。しかし、民法の規定に満たない場合は、内容が無効と判断されてしまう恐れがあるので注意してください。
5-2-2.公正証書遺言
公正証書遺言は、公証役場で作成してもらいます。公証人が立ち会って作成するため、法的効力が強いのが特徴です。公証役場で保管されることもあり、紛失などの不安を感じることがありません。
5-2-3.秘密証書遺言
秘密証書遺言は、自分で作った遺言書を公証役場に持参し、自分で作成したことを証明してもらうものです。家族に秘密で作ることができるため、秘密証書遺言と名付けられています。ただし、内容に不備がある場合、無効となってしまう恐れがあるのです。自分で作成する際は、書式などに誤りがないことを確認しておきましょう。
5-3.お墓を用意しておく
代々受け継いでいるお墓がない場合、終活をする際に用意しておくといいでしょう。お墓の購入や維持にかかる費用はケースによってさまざまです。立地や管理費なども含め慎重に検討することが大事なポイントでしょう。
6.終活に関してよくある質問
終活に関する質問を集めました。
Q.終活をする際は、遺影の準備もしておいたほうがいいのか?
A.はい、準備しておきましょう。写真の保管場所もエンディングノートに記載しておけば、葬儀の際に遺族が困ることがありません。できるだけ近影のものがいいでしょう。
Q.終活で葬儀などの準備はどこまでしておいたほうがいいのか?
A.葬儀費用の確保までしておきましょう。費用が確保されていたら、いざという場合に家族が困らずに済みます。葬儀費用が保管されている口座も、エンディングノートに明記しておきましょう。
Q.老後を迎えてから終活をするのは遅いのか?
A.はい、遅いでしょう。老後を迎えると、体力や気力が落ち込む傾向があります。できるだけ身体が動くうちに終活をしておき、安心して老後を迎えられるようにしましょう。
Q.エンディングノートに遺産分割についての希望を書いたら効力を発揮するのか?
A.故人の意思として希望を取り入れられることはあっても、法的拘束力はありません。遺産分割について法的効力のある内容を残したいなら、遺言書を作成しましょう。
Q.終活を行うと、自分の人生を見つめ直す機会になるのか?
A.はい、なります。自分の歩んできた人生を振り返り、今後に必要なものを見出すいい機会になるでしょう。
まとめ
近年、終活という言葉が浸透し始めました。終活は老後をシンプルで身軽に生きるために行うものであると同時に、自分の死後に家族が困らないよう準備しておくものでもあります。終活の手順ややり方などを覚えておき、身体が動くうちに始めるようにしましょう。