老前整理の上手な進め方は? 効率よく片付けるポイントを解説!
「そろそろ老前整理を考えているので、上手な進め方を知りたい」とお考えではありませんか?
最近、老前整理を行う人が増えていますよね。人生も折り返し地点を過ぎると、そろそろ自分もやっておいたほうがよいのではと考える人もいるでしょう。しかし、実際にどんな方法で進めるべきか、どんなポイントに注意すべきかなど、よく分からないこともありますよね。
そこで今回は、老前整理の進め方について詳しく解説しましょう。
この記事を読むことで、老前整理を効率よく進めるポイントがよく分かります。老前整理を行う予定がある方や興味がある方は、最後まで記事を読んでみてください。
1.老前整理の基礎知識
最初に、老前整理とは何かについて詳しく見ていきましょう。
1-1.老前整理とは?
老前整理とは、老いて身心の自由が利かなくなる前に、自分の手で身の回りを整理することです。高齢になって片付けようとしても、さまざまな理由でうまく進めることができなくなります。超高齢化社会が進み、高齢者だけでの暮らしや高齢者の一人暮らしが増えた今、老後を快適かつ安心して暮らすために老前整理の必要性が高まっているのです。
1-2.生前整理や断捨離との違い
老前整理と似ている言葉に、生前整理や断捨離が挙げられます。それぞれの内容については、以下をご覧ください。
- 老前整理:自分が老いる前に身の回りを整理すること
- 生前整理:自分が亡くなる前に身の回りを整理すること
- 断捨離:タイミングを問わず不用品を仕分けて処分して必要なものだけを残すこと
1-3.老前整理を行う人が増えている理由
老前整理を行う人が増えている理由には、以下のようなものがあります。
- 家族に大きな負担をかけたくない
- 老後を自分らしく快適に暮らしたい
- 自分のことは自分でやっておきたい
- 今のうちに財産を整理しておきたい
また、頼りになる親族や知人がいない、疎遠になっているといった場合も、老前整理を行っておきたいと考える人が多く見られます。
2.老前整理を行うメリット
老前整理を行うと、多くのメリットがあります。
2-1.老後を安心して暮らせる
老前整理を行うと、老後を安心して暮らせるようになります。老後は、足腰が弱くなるなど、身体機能が衰えてしまうものです。すると、ものにぶつかったりつまずいたりすることが多くなり、ケガや転倒のリスクが高まります。場合によっては、長期間の療養や入院が必要になり、寝たきりに移行してしまうこともあるでしょう。老後を安心して暮らし、思わぬリスクを避けるためにも、老前整理を行う意味があるのです。
2-2.家族の負担を減らせる
家族の負担を減らせることも、老前整理のメリットです。もしも、何も整理せずにいると、自分に万が一のことがあった場合に家族へかかる負担が大きくなります。さまざまな手続きに追われ、心身共に大変な中、さらに負担をかけてしまうことは避けたいものです。早めに老前整理を行って、大切な家族の負担を減らしましょう。
2-3.自分の意思で整理できる
老前整理は、自分の意思で整理できることも大きなメリットです。気力や体力があるうちに整理することで、満足できる状態に仕上げることができます。誰しも、高齢になるにつれ、気力や体力が衰えるものです。今のうちに自分の意思で身の回りを整理することは、とても大きな意味があるといえます。
2-4.老後を有意義に過ごせる
老後を有意義に過ごせることも、老前整理のメリットです。老前整理で不用品を処分してスッキリした環境に整えることで、やりたいことがハッキリ見えてきます。すると、老後の生きがいができて、楽しく過ごすことができるのです。残りの人生を楽しく過ごしたい人は、老前整理を行うべきでしょう。
3.老前整理を成功させるポイント
老前整理を成功させるには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。
3-1.完璧を目指さない
老前整理では、完璧を目指さないようにしましょう。完璧を目指してしまうと、高確率で挫折してしまうからです。老前整理を終えた後も、人生は続いていきます。もしも老前整理が不完全に終わってしまった場合でも、いつでもやり直すことが可能です。細かなことは気にせず、大体のことが完了すればよしとしましょう。
3-2.作業計画を立ててから手を付ける
作業計画を立ててから手を付けることも、老前整理を成功させるポイントです。老前整理では、やるべきことがたくさんあります。まずは、何をやるべきかリストアップしてみるとよいでしょう。次に、いつまでに終えるべきか、どれぐらいの作業時間が必要かなどをそれぞれ考えてみてください。その後、重要な作業から優先して手を付けることで、無理なく進めることができ、挫折も防ぐことが可能です。
3-3.短期間で無理やり終えようとしない
老前整理を成功させるには、短期間で無理やり終えようとしないでください。最初は気合が入っているため、どんどん作業を進めたくなることでしょう。しかし、無理をすれば身心が追い付かなくなり、挫折してしまいやすくなります。無理をせずコツコツと作業することが、成功への近道と覚えておきましょう。
3-4.ものへの執着を捨てる
ものへの執着を捨てることで、老前整理を成功させることができます。老前整理では、大量の不用品を処分することになるでしょう。このとき、ものへの執着があると、処分するのがつらくなり、うまく進みません。今後使う予定がないもの、特に思い入れがないものなどは、思いきって処分しましょう。すると、必要なものだけが残り、身の回りがスッキリして老後を過ごしやすくなります。
4.老前整理でやってはいけないことは?
老前整理でやってはいけないことについて、詳しくご紹介します。
4-1.作業計画を無視して進めてしまう
老前整理では、作業計画を無視して進めてしまうと高確率で挫折します。最初のうちはやる気に満ちているため、予定より早く作業が進むこともあるでしょう。しかし、ここで無理をして余分に作業をしてしまうと、疲労がたまってしまいます。すると、その後の計画が大きく遅れてしまう原因になるので気を付けてください。作業計画どおりに進めるように意識し、遅れが出たらスピードアップを意識して、追い付くようにするぐらいがちょうどよいのです。
4-2.必要なものまで処分する
老前整理では、必要なものまで処分してはいけません。老前整理を終えた後の生活が、不便になってしまいます。最低限の生活必需品は、処分せずにそのまま残しておきましょう。また、写真・アルバム・記念品などの思い出の品も、処分してしまうと二度と取り戻すことができません。思い出の品は、老後の暮らしで心のよりどころになることが多いものです。特に大切な品は無理に処分せず、残しておくとよいでしょう。
4-3.家族のものまで勝手に処分する
家族のものまで勝手に処分することは、絶対にやめてください。家族のものまで勝手に処分すると、人間関係にわだかまりを残してしまうことがあります。老前整理は、あくまでも個人的なものです。処分するのは、自分のものだけにしましょう。たとえ夫婦であっても、自分のものは自分で、夫婦のものは2人で相談して処分するか決めてください。
5.老前整理の進め方
老前整理の進め方を、主な手順に沿って見ていきましょう。
5-1.老前整理でやるべきことを確認する
最初に、老前整理でやるべきことを確認してみましょう。やるべきことをリストアップして考えていくと、分かりやすくておすすめです。やるべきことをすべてリストアップしたら、優先順位を付けてください。優先順位の高いものから手を付け始めることで、効率よく進めることができます。
5-2.老前整理の作業計画を立てる
次に、老前整理の作業計画を立てましょう。ポイントは、無理のない内容にとどめることです。1日の作業時間は、長くても8時間までにしましょう。適宜休憩を入れる、遅れが発生したときのために予備日を設定するといったことも大切です。さらに、手を付ける場所を1日1~2か所程度までにすると、集中して作業しやすいでしょう。
5-3.片付けに必要な道具を用意する
老前整理を効率よく進めるためにも、片付けに必要な道具を事前に揃えておくとよいでしょう。具体的には、以下のような道具があると便利です。
掃除道具
- 掃除機
- ほうき
- ちり取り
- はたき
- 雑巾
- バケツ
- 住宅用中性洗剤
- フロアワイパー
- 掃除用使い捨てシート(ドライタイプ・ウェットタイプの両方)
仕分け道具
- ゴミ袋
- 段ボール箱
- ビニールひも
- はさみ・カッター
- ビニールテープ
- 古新聞紙
- 油性マジック
服装
- 汚れてもよい服装
- 三角巾
- マスク
- 軍手
- ゴム手袋(使い捨てタイプがおすすめ)
- 室内用シューズ
仕分け作業に便利なゴミ袋や段ボール箱は途中で不足しがちなので、多めに用意しておきましょう。
5-4.作業計画に沿って片付ける
作業計画に沿って、順番に片付けていきましょう。常に進み具合を意識することで、計画遅れを防ぐことができます。また、片付けと同時に、以下のポイントを参考にして不用品を仕分けてください。
- 汚れや傷みがひどい
- 不具合や故障などで正常に使えない
- 特に思い入れがない
- サイズや趣味が合わなくなった
- 同じようなものが必要以上にあって余っている
なお、判断に困るものは、無理に処分すると後悔する可能性があるため、今回は処分を保留することにして構いません。
5-5.不用品を処分して必要なものだけを収納する
不用品を仕分けたら、この記事の「6.老前整理で出た不用品の処分方法」を参考にして処分してください。不用品を処分したら、必要なのものだけを収納していきましょう。収納するときは、以下のポイントを意識してください。
- 必要以上に詰め込まない
- ものごとに定位置を決めて収納する
- ものを使う場所の近くに収納する
- 見やすく取り出しやすい方法で収納する
- 使用頻度の高いものを手前側・使いやすい位置に収納する
すべてのものを収納し終えたら、最後に掃除をして仕上げましょう。
6.老前整理で出た不用品の処分方法
老前整理で出た不用品を処分する方法を、詳しくご紹介しましょう。
6-1.自治体回収にゴミとして出す
老前整理で出た不用品は、自治体回収にゴミとして出すことができます。一般的なゴミの種類と分類については、以下をご覧ください。
- 可燃ゴミ:紙・木・皮革・布など、焼却処分可能な素材のもの。無料収集
- 不燃ゴミ:ガラス・陶器・金属など、焼却処分不可能な素材のもの。無料収集
- 資源ゴミ:プラスチック容器・ガラス瓶・空き缶など、リサイクル可能な素材のもの。無料収集
- 粗大ゴミ:自治体ごとに決まった大きさや重さを超えるもの。基本的には有料収集かつ事前予約が必要
なお、ゴミの分類基準や収集ルールは、自治体ごとに異なります。詳しくは、自治体のホームページなどで確認してください。
6-2.関連法律に沿って手続きする
一部の家電やパソコンなどは、関連法律に沿って手続きし、処分する方法もあります。
6-2-1.家電リサイクル法の対象品目
冷蔵庫・テレビ・エアコン・洗濯機は、家電リサイクル法に沿って手続きし、処分することができます。家電リサイクル法とは、対象家電に含まれる資源を有効活用することなどを目的とした法律のことです。家電リサイクル法に沿って対象家電を処分する場合は、以下の2つから都合のよい方法を選ぶことができます。
料金販売店回収方式
- 家電販売店の店頭で対象家電の家電リサイクルを申し込む
- 対象家電の家電リサイクル料金と運搬費用を支払う
- 指定日時と場所で家電販売店が手配した運搬業者がやってきて対象家電と家電リサイクル券の控えを回収する
- 運搬業者がメーカーの再生工場に運搬する
料金郵便局振込方式
- 郵便局の窓口で対象家電の家電リサイクル料金を振り込む
- 自治体の指定引取場所に、自分の車などで対象家電と家電リサイクル券を持ち込む
- 指定引取場所の指示に沿って対象家電と家電リサイクル券を引き渡す
なお、家電リサイクル料金は、対象家電の種類・メーカーなどにより異なります。また、販売店料金回収方式における運搬費用は、対象家電1台につき1,500円程度~が相場です。より詳しい内容は、一般財団法人家電製品協会家電リサイクル券センターのホームページをご覧ください。
6-2-2.パソコンリサイクル法の対象品目
パソコンやパソコン用モニターは、パソコンリサイクル法に沿って手続きすることで処分できます。パソコンリサイクル法とは、パソコンやパソコン用モニターに含まれる資源を有効活用することなどを目的とした法律です。詳しい流れは、以下をご覧ください。
- メーカーのリサイクル窓口に連絡してパソコンやパソコン用モニターの回収を依頼する
- メーカーから専用の配送伝票が送られてくる
- メーカーの指示に沿ってこん包し、配送伝票を貼り付けて発送する
なお、PCリサイクルマークが付いているものは、パソコンリサイクル料金・配送費用共に無料です。古い機種などでPCリサイクルマークが付いていないものは、1台に付き数千円程度の自己負担が発生します。より詳しい内容は、一般社団法人パソコン3R推進協会のホームページを参考にしてください。
6-2-3.小型家電リサイクル法の対象品目
シェーバー・スマホ・小型ラジオなどは、小型家電リサイクル法の対象品目として処分できます。小型家電リサイクル法とは、小型家電に含まれる資源の有効活用などを目的とした法律です。小型家電リサイクル法に沿って対象家電を処分するには、役所や商業施設などに設置してある小型家電専用回収ボックスに投入してください。処分費用は、無料です。なお、小型家電リサイクル法の対象家電は自治体によって異なるため、自治体のホームページなどで確認してください。
6-3.知人などに譲る
まだキレイで中古品として十分に使えるものは、知人などに譲る方法もあります。たとえば、以下のようなものは譲り受けてもらえる可能性があるでしょう。
- 年式が新しい家電
- セットものの家具
- 未使用の贈答品セット
- 趣味のコレクション
- 骨とう品
- 着物
- スポーツ用品
- 人気ブランド品のバッグや服飾小物
まずは、譲り受けてもらえそうな知人をピックアップし、欲しいものはないか聞いてみるとよいでしょう。譲り先が決まったら、先方の希望を優先して配送方法や配送日程について話し合ってください。
6-4.販売店の回収サービスを利用する
老前整理で出た不用品の中には、販売店の回収サービスを利用して処分できるものもあります。たとえば、以下のようなものです。
- 一部の家電
- 家具
- ピアノ・オルガン
- ミシン
- 自転車
- オートバイ
- 古タイヤ
- 仏壇・仏具
販売店の回収サービスは、基本的には有料になります。大きさや重量があるものは、1回の回収費用が数万円になることもあるでしょう。なお、買い替えを伴う場合は、不要になったものの回収費用が無料となることがあります。
6-5.不用品回収業者に処分してもらう
不用品回収業者でも、老前整理で出た不用品の処分を依頼することが可能です。不用品回収業者に依頼すると、以下のようなメリットがあります。
- 都合のよい日時と場所で回収してもらえる
- 不用品を種類別に仕分ける必要がない
- 大量の不用品を1回にまとめて処分できる
- 状態のよいものは買取してもらえることがある
- 回収後は適切な方法でリサイクルしてもらえる
6-6.買取に出す
老前整理で出た不用品のうち、状態のよいものは買取してもらうことを検討してみるとよいでしょう。不用品を買取してもらうには、以下のような方法があります。
- 種類ごとの買取専門業者に売る
- リサイクルショップに売る
- 不用品回収業者に買取してもらう
- ネットオークションやフリマアプリに出品する
それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分にとって最もメリットが大きい方法を選ぶとよいでしょう。なお、一番おすすめは、不用品回収業者に買取してもらう方法です。都合のよい日時と場所で回収してもらえ、万が一買取不可になってもそのまま引き取り処分を依頼できて、二度手間になりません。
7.老前整理の進め方に関するよくある質問
最後に、老前整理の進め方に関する質問に回答します。それぞれ役立ててください。
Q.老前整理後の状態を長く保つコツは?
A.以下を参考にしてください。
- 定期的に不用品を仕分けて処分する
- ものを使った後は必ず定位置に戻す
- 必要がないものを買ったりもらったりしない
- 簡単にでも掃除する習慣を持つ
- 床にものを置かないようにする
- 知人などを定期的に招待する
Q.パソコンやスマホなども老前整理で処分すべきか?
A.現在も使用している場合は、必ずしも老前整理で処分する必要はありません。パソコンやスマホがあると、老後の生活をより豊かになるからです。ただし、サブスクリプション契約などで不要なものがある、ネット銀行やネット証券で使っていない口座があるといった場合は、この機会に解約しておくとよいでしょう。
Q.老前整理で子どもや孫に現金で生前贈与しておいたほうがよい?
A.生前贈与は、上手に行うと税金対策になるため、可能であれば行っておくとよいでしょう。ただし、生前贈与を行うことで老後資金がショートしないように注意してください。
Q.老前整理で出た不用品をなるべく高く買取してもらうコツは?
A.以下を参考にしてください。
- 適切な方法でキレイにクリーニングしておく
- 購入時の付属品をなるべく揃えておく
- 数量をまとめて買取してもらう
- 不用品の買取を強化している業者に売る
Q.老前整理と同時にエンディングノートを書いておくべきか?
A.可能であれば、書いておくことをおすすめします。万が一のときにエンディングノートがあると、家族がとても助かるからです。エンディングノートの書式や内容には決まりがないので、自由に書いても構いません。また、市販のエンディングノートを使用して記入するのもよいでしょう。なお、エンディングノートも、1回書いたら終わりにするのではなく、必要に応じて書き直したり追加したりしてください。
まとめ
今回は、老前整理の進め方について詳しく解説しました。老前整理を行うと、老後を安心して暮らせる、老後を有意義に過ごせる、家族の負担を減らせるなど、多くのメリットがあります。まずは、きちんと作業計画を立てて無理なく進めることが、第一のポイントです。なお、老前整理で出た不用品は、信頼できる不用品回収業者に処分を依頼すると何かと助かることでしょう。当リサイクル買取センターでも、老前整理で出た不用品の処分をお受けしています。まずは、お気軽にお問い合わせください。