老前整理の方法や注意点は? 主なメリットと失敗しないコツも詳しく!
「そろそろ老前整理を進めたいが、何から始めるべきか」「老前整理で失敗しないコツを詳しく知りたい」とお考えではないでしょうか? 最近は、終活の一つとして老前整理を行う人が増えています。身の回りを整理しておくことは、老後を安心して暮らすためにも大切なポイントです。しかし、どんな方法で進めるとよいか、失敗しないためにはどんなことに注意すべきかなどよく分からないこともあるでしょう。
そこで今回は、老前整理について詳しく解説します。
- 老前整理とは?
- 老前整理をするメリットは?
- 老前整理を始める時期はいつがいい?
- 老前整理のやり方
- 老前整理を成功させるポイント
- 老前整理を行うときの注意点
- 老前整理を業者に依頼する方法
- 老前整理に関するよくある質問
この記事を読むことで、老前整理をスムーズに行うポイントや注意点がよく分かります。老前整理に興味がある人は、記事を読んでみてください。
1.老前整理とは?
最初に、老前整理とはどんなものか見ていきましょう。
1-1.自分の意思で身辺整理を行うこと
老前整理とは、人生の終わりを見据え、自分の意思で自分の身辺を整理することです。別名で生前整理と呼ぶこともあります。老前整理は終活の基本であり、自分らしく人生を終えたいと考える人を中心に、急速に広まってきているのが特徴です。遺品整理との違いについては、以下を参考にしてください。
- 老前整理:存命中に自分の意思で身辺整理を行う
- 遺品整理:亡くなった後に遺族が整理する
遺品整理では、遺言やエンディングノートがある場合でも、必ずしも故人の希望どおりに進むとはいえないことからも、老前整理のメリットに注目が集まっています。
1-2.老前整理を行う人が増えている背景
老前整理を行う人が年々増えている背景には、以下のようなことがあります。
- 超高齢化社会となり高齢者だけの世帯が増えた
- 核家族が進んで一人暮らしの高齢者が増えた
- 少子化により遺品整理を依頼できる子どもがいない人が増えた
- 相続争いが心配なので今のうちに解決しておきたい
上記のような理由により、自分のことは自分で整理したい、周囲にかかる負担を少なくしたいと考える人が増えているのです。
2.老前整理をするメリットは?
老前整理をする主なメリットを具体的に見ていきましょう。
2-1.遺品整理が楽になる
老前整理を行うと、遺品整理が楽になるのが大きなメリットです。遺族にとって、大切な人を亡くした後に遺品整理を行うのは、心身共に大きな負担となります。遺品整理は想像以上に大変な作業なので、途中でダウンしてしまう人も多いものです。しかし、老前整理を行って不用品を処分しておけば、遺族にかかる負担をグンと減らすことができます。
2-2.老後を安心して暮らせる
老後を安心して暮らせるのも、老前整理を行うメリットです。老後は、体の自由が利かなくなったり判断力が低下したりします。そのため、ものにつまずいて転倒したり、ものを捨てることがうまくできなくなったりしてゴミ屋敷状態にしてしまう可能性もあるでしょう。老後を快適かつ安心して暮らすためにも、早い段階で老前整理を始めることがおすすめです。
2-3.気持ちの区切りができる
老前整理を行うと、気持ちの区切りができるのも大きなメリットといえるでしょう。高齢になると、誰でも人生の終わりを意識するようになるものです。老前整理を行うと。今までの人生を振り返り、不用品を処分したり身の回りを整理したりすることで、気持ちがスッキリして安心できます。また、気持ちに区切りが付くと、何かと余裕が出てくるので今後の人生をより楽しむこともできるのもよい点です。
2-4.財産の整理と把握ができる
財産の整理と把握ができるのも、老前整理を行うメリットの一つです。たとえば、土地や家屋などの不動産は把握できていても、現金・預金などの流動資産は、どこにどれだけあるかすぐに分からない人も多いことでしょう。老前整理でどんな財産がどれだけあるのかを整理・把握すれば、相続がグンと楽になります。また、相続争いを避けたり相続税を節約したりするために生前贈与を計画しやすくなるのも、おすすめの理由です。
2-5.病院や施設への入所がスムーズにできる
老前整理を行っておくと、今後病院に入院したり施設に入所したりする際にも、スムーズに準備ができて安心です。高齢になれば、いつ病院や入院したり施設に入所したりするか分かりません。入院や入所は、多くの場合で緊急に準備する必要があり、自宅を片付ける時間が十分に取れないのが現実です。また、健康保険証などの重要書類もきちんとまとめて保管しておけば、家族が迷うこともないでしょう。万が一のことを考えても、早めに老前整理をして家を片付けておくことをおすすめします。
3.老前整理を始める時期はいつがいい?
老前整理を始める時期としておすすめのタイミングを、年代別に3つご紹介します。
3-1.40~50代で老後を意識したタイミング
老前整理は、40~50代になると、そろそろ老後を意識するタイミングです。まだ十分な気力があり、体も動きやすいことから作業がスムーズに進みやすいといえます。さらに、本格的な老後までまだ時間があるため、余裕を持って取り組むことができるのもメリットでしょう。まずは、老後のライフプランを考えつつ、気になる点や場所に限定して少しずつ整理していくことをおすすめします。
3-2.60代で定年退職した後もよいタイミング
60代になると、多くの人が定年退職を迎えて人生が一区切り付きます。今までと比較して自由になる時間が大幅に増えることからも、生前整理に最適なタイミングといえるでしょう。ただし、60代後半になると、気力・体力が大幅に落ちてしまう人が増えます。なるべく早めに手を付け、作業を終わらせるようにしましょう。
3-3.70代以降は今すぐ始めるのがおすすめ
すでに70代以降の年齢なら、今すぐ始めるのがおすすめです。まだ元気だからといって先延ばしにしていると、病気やケガなどが原因で入院や施設への入所が急に決まることがあります。70代以降は、いつ人生の終わりが訪れてもおかしくないと考えて、早急に老前整理を始めましょう。思い立った日から始めれば、余裕を持って作業できるはずです。
4.老前整理のやり方
老前整理のやり方を主な手順に沿って詳しく見ていきましょう。
4-1.全体の物量や作業量を把握する
最初に、家全体を見渡して物量や作業量を把握することから始めましょう。老前整理は、人それぞれ状況が異なるからです。たとえば、部屋が広くて汚れがひどく物量が多いケースと部屋数も物量も少ないケースでは、老前整理にかかる労力や時間が随分異なります。挫折を防ぐ意味からも、最初に現状をきちんと見極めましょう。
4-2.作業内容を確認し、計画を立てる
次に、必要な作業内容を確認し、計画を立てましょう。1日の作業時間を決め、適宜休憩を設定しながら考えてみてください。毎日続けて作業するより、数日ごとに1~2日程度予備日を設定したほうが何かとうまくいくのでおすすめです。また、作業する場所の順番も決めておきましょう。むやみに手を付けるより、特定の場所を集中して作業したほうが効率がよいだけでなく、達成感を積み重ねることができて挫折しづらくなります。
4-3.不用品の仕分け基準を決める
不用品の仕分けを効率よく行うためにも、事前に仕分け基準を決めておきましょう。具体的には、以下を参考にしてください。
- 汚れや傷み・臭いがひどい
- 不具合や故障により正常に使えない
- 特に思い入れがない
- サイズや趣味が合わなくなった
- 過去1年以上使用しなかった
- 今後使用する予定がない
- 同じようなものがたくさんある
4-4.必要な道具を用意する
老前整理に必要な道具は、作業前にすべて用意しておきましょう。たとえば、以下のような道具があるとスムーズに作業が進みます。そのほかにも、自分が使いやすい道具を用意してみてください。
掃除道具
- 掃除機
- ほうき
- ちり取り
- はたき
- フロアーワイパー
- 使い捨てタイプの掃除用シート(ドライタイプ・ウェットタイプの両方)
- 雑巾
- バケツ
- 住宅用中性洗剤
- 消毒用エタノール(カビ除去用)
- スプレー容器
- 殺虫剤
仕分け道具
- ゴミ袋
- ダンボール箱
- 古新聞紙
- 紙ひも
- ビニールテープ
- はさみ
- 油性マジック
服装
- 三角巾
- 使い捨てタイプのゴム手袋
- 軍手
- マスク
- 汚れてもよい服装
- 室内用シューズ
なお、仕分け道具は多めに用意しておくと何かと重宝します。
4-5.計画に沿って作業を進めていく
準備が整ったら、計画に沿って作業を進めていきましょう。こまめに進捗状態をチェックし、遅れていたら早めに追い付くように調整してください。老前整理では、予想外のトラブルが発生するなどして、計画が遅れることがよくあります。すべての作業が終わったら、仕上げに隅々まで掃除しましょう。不用品を処分した後なので、当初とは比較にならないほどスムーズに掃除できるはずです。
5.老前整理を成功させるポイント
老前整理を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。
5-1.なるべく周囲の人に手伝ってもらう
なるべく周囲の人に手伝ってもらうことも、老前整理を成功させるポイントです。自分たちだけでできると考えていても、実際に始めてみると想像以上に大変な作業であることが分かり、挫折してしまうことが多くあります。周囲の人に手伝ってもらうことで作業がスムーズに進むだけでなく、財産整理など自分が必ず行うべき部分に集中できるのもよい点です。
5-2.完璧を目指さないこと
老前整理では、完璧を目指さないことも成功させるポイントの一つです。まじめな性格の人ほど、きっちりやろうとして挫折してしまう傾向があります。老前整理は、誰かと比較するものではありません。まずは、無理をせずに淡々と計画をこなすことを最優先で進めてみてください。気になる点やもう少し作業したい点が出た場合は、当初の計画が完了してから改めて作業することを検討するとうまくいきます。
6.老前整理を行うときの注意点
老前整理を行うときの注意点を詳しくご紹介しましょう。
6-1.不用品の仕分けに時間をかけないこと
老前整理では、不用品の仕分けに時間をかけないことが大切です。特に、思い出の品を仕分けるときは注意しましょう。なつかしさで手が止まってしまうと、計画が大幅に遅れてしまうことがあります。仕分けに迷うものは、いったん保留にして最後にもう一度考えてみることがおすすめです。なお、写真やアルバムなど処分すると二度と取り戻せないものや、後悔しそうなものは残しておいても構いません。無理をして処分し、後悔しないように気を付けてください。
6-2.デジタルデータの整理も忘れずに行う
デジタルデータの整理も忘れずに行いましょう。最近は、スマホやパソコン・タブレットなどのデジタル機器が生活必需品となり、実際に多くの人が使っています。しかし、こうしたデジタル機器には、個人で撮影した画像や作成した文書などの個人情報やクレジットカード情報など、流出したら困るものが多く記録されているものです。そのため、老前整理では不用品の片付けを進めると共に、デジタルデータの整理もきちんと行いましょう。また、ネットのサービスですでに利用していないものなどは、この機会にすべて解約しておくことがおすすめです。
6-3.必要に応じて業者を利用することも考える
老前整理をきちんと終わらせるためにも、必要に応じて業者を利用することを考えましょう。老前整理はやるべきことがたくさんあり、膨大な時間と労力がかかります。実際に作業してみてあ然としてしまい、結局計画倒れになってしまったというケースも多いものです。たとえば、不用品の片付けや処分だけでも業者に依頼すると、はるかに効率よく作業が進むので検討してみるとよいでしょう。
7.老前整理を業者に依頼する方法
老前整理は、信頼できる業者に依頼すると何かと便利でおすすめです。
7-1.信頼できる業者の選び方
老前整理を依頼する場合、以下のポイントを満たした業者を選ぶと安心です。
- 老前整理で豊富な実績がある
- 現地視察および見積もりは無料
- 分かりやすくてリーズナブルな料金システム
- 遺品の買取も強化している
- 都合のよい日時・場所で作業を依頼できる
- スタッフの教育が行き届いており、親切で感じがよい
- 顧客からの評判がよい
- 古物商許可など業務に必要な許可を取得済み
なお、当リサイクル買取サービスでも、老前整理を数多くお受けしておりご好評をいただいています。まずは、お気軽にお問い合わせください。
7-2.老前整理を業者に依頼する費用目安
老前整理を業者に依頼する場合の費用目安は、以下を参考にしてください。
- 1R~1K:30,000円~80,000円程度
- 1DK~1LDK:50,000円~200,000円程度
- 2DK~2LDK:90,000円~300,000円程度
- 3DK~3LDK:150,000円~500,000円程度
- 4LDK以上:220,000円~600,000円程度
なお、実際の費用は、部屋数・部屋の広さ・物量・汚れ具合などによって大きく異なります。また、買取してもらえる不用品の有無も影響するため、詳しくは業者からの見積もりを参考にしてください。
7-3.老前整理を業者に依頼する流れ
老前整理を業者に依頼する流れは、以下を参考にしてください。
- 信頼できる業者を選ぶ
- 業者に現地視察と見積もりを依頼する
- 業者が現地視察をした後、依頼者からの要望も考慮して見積もりを作成する
- 業者からの見積もりをチェックして特に問題がない場合は、正式に老前整理を依頼する
- 指定日時に業者がやってきて不用品の整理や回収などを行う
- すべての作業が終わったら、業者と依頼者で作業内容を確認して完了
8.老前整理に関するよくある質問
最後に、老前整理に関する質問に回答します。それぞれ確認してください。
Q.複数回に分けて老前整理してもよい?
A.構いません。1回の老前整理を複数回に分けて行ってもよいですし、数年ごとにやり直すのもおすすめです。
Q.老前整理を行うのは縁起が悪いのでは?
A.迷信です。確かに、老前整理は自分の老いに向き合い、人生の終わりを意識しながら行うことから、一部の人は縁起が悪いと考える人もいます。しかし、老前整理をしても悪いことが起きるわけではありません。むしろ、できるときにやっておいてよかったと考える人が多くいます。
Q.夫婦別々に老前整理を行ってはダメ?
A.ダメではありません。夫婦いずれかが多忙などの場合は、それぞれのペースで作業を進めるほうがよいケースもあります。ただし、夫婦の共有スペースの片付けや持ちものの整理は、2人で作業することがおすすめです。
Q.「老前整理が今だけ半額キャンペーン中」というチラシをもらったのですが?
A.悪質業者によくある手口なので、信用してはいけません。たとえ、今だけ半額キャンぺーン中とうたっていても、根拠がないからです。業者が信頼できるか分からない、料金システムも不透明などの状況からも、無視しましょう。
Q.老前整理ではエンディングノートを作成すべきか?
A.エンディングノートも、老前整理の一つとして作成しておいたほうが何かと便利です。たとえば、以下のような内容を記しておくと遺族が助かることでしょう。
- 預金通帳や印鑑の保管場所
- 保険証書の保管場所や連絡先
- 土地家屋の登記書
- そのほかの財産目録
- 個人的な趣味で契約中のサービス一覧と連絡先
- クレジットカードの番号と暗証番号など
ただし、上記の内容は重要事項であり、外部に流出したら大きな損害につながるため、厳重に保管しておくことが大切です。たとえば、銀行の貸金庫などを利用するのもよいでしょう。
まとめ
今回は、老前整理について詳しく解説しました。老前整理を行うことで、将来家族が遺品整理を行う負担を軽くできる、身の回りがスッキリ片付いて安心して過ごせるなど、多くのメリットがあります。老前整理をスムーズに行うには、最初に全体の作業量や作業内容を把握して計画を立て、無理せずに進めていくことが大切です。なお、老前整理では大量の不用品が発生するため、仕分けたり処分したりするのが大変な作業になります。貴重な時間と労力を節約するためにも、信頼できる業者によく相談してみることがおすすめです。